疥癬の治療は内服薬中心で、2週間から2か月ほどの期間が必要です
皮膚がかゆくなり、発疹を伴う病気には様々な種類がありますが、その中に疥癬と呼ばれる皮膚病があります。
蕁麻疹と間違われやすいのですが、時間が経てば消えてしまう蕁麻疹とは違って、発疹やひっかき傷が長く続きます。
この病気はヒゼンダニというダニが寄生することにより起こり、発疹の部分を顕微鏡で見ると、ダニやその卵が隠れていることがよくあります。
特に疥癬トンネルと呼ばれる、ヒゼンダニが作る痕跡のあるなしが、診断の決め手となることがあります。
疥癬には通常のタイプと、ノルウェー型と呼ばれる角化型の2つの種類があります。
いずれも体の至るところに赤い発疹ができ、強いかゆみがあります。
性行為によって感染することもあり、その時は陰部やへその下を中心に発疹が出やすくなります。
また、通常型と比較した場合、ノルウェー型疥癬の方が、高齢者や免疫不全など、免疫力が低下している人に起こりやすく、またこのタイプは、かゆみの症状がほとんど現れないこともあります。
疥癬は人から人へ感染しますが、通常型の場合は、入浴で感染するということはありません。
特に高齢者施設や病院などが感染源となりやすく、治療方法としては塗り薬と内服薬があります。
内服薬が登場する前は塗り薬中心でしたが、最近は内服薬が治療の中心となっています。
服用期間は多少特殊で、まず内服薬を飲み、一定期間を置いて再び飲むという方法です。
かつては内服薬を飲んで2週間の期間を置くのが一般的でしたが、今は服用後1週間が経過して、再び内服薬を飲むのが奨励されます。
それから治療期間についてですが、通常型は内服薬を飲み始めて、2週間ほど経てば大体治まります。
ノルウェー型は、治療開始から2か月ほどで治まります。
ただしいずれも一定期間経過観察を行い、皮膚をチェックすることが必要になります。
経過観察の期間は、通常の疥癬は3か月、ノルウェー型は6か月ほどです。
またノルウェー型疥癬は、一定期間隔離が必要になります。
この場合の期間は1週間から2週間ほどです。
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